即効性にすぐれているのが、β遮断薬です。あがり症が出てきそうな時の1時間前に服用すると、症状が出てこなくなります。効果はその後も数時間続きます。この治療薬は体にあるβ受容体に作用します。そこからあがり症の原因となる、ノルアドレナリンを防ぐことができるのです。
あがり症の人にとっては、心強い味方といってもいいでしょう。あがりそうな時に飲むことで、普段と変わりなく人前で話すことができます。頼りすぎてしまわないようにすることがとても大切です。薬がないと、逆にそれがあがる原因を作ってしまいます。
それだけ依存する確率が高くなる薬でもあるのです。そしてこの薬を飲めない人もいますから、服用は医師に相談してからにしましょう。薬の働きが強くなってしまい、体に負担をかける結果になってしまうのです。心臓の治療薬を飲んでいる人やぜんそくを持っている人などは、必ず医師に伝えるようにしましょう。
もともと、このβ遮断薬は、高血圧や不整脈、心筋梗塞といった疾患の人のための治療薬です。それがあがり症にも有効とされ、使われています。汗を抑制し、あがり症からくる震えや動悸などの症状を緩和してくれます。早く効きますから、タイミングに合わせて薬を飲むようにしましょう。