あがり症とは、ここ一番の大事なときに緊張してしまい、心臓がドキドキしたり、頭が真っ白になったりといった状態になり、その人が持っている本来の実力を発揮できないタイプの人たちを総称して呼ぶ言葉です。 あがり症といっても人により症状は様々です。手足が震えてしまったり、血圧や心拍数が上昇、赤面、パニック、頭が真っ白、言葉がしどろもどろになるというような状態になります。あがり症は、人見知りや対人恐怖症、社会恐怖、社会不安障害などと本質的には同じ症状です。
あがり症は、他人から変に思われるのではないかという不安から引き起こされている強迫神経症の一種というのが定説のようです。本番に弱いタイプの人もこれにあたります。外国人よりも日本人の方がこの症状に悩んでいる人が多いともいわれていますが、外国人は個性を重視する文化が根付いているのに対し、日本では集団行動を重視するため、人と違う行動をしたり、ミスをしてバランスが崩れることを極端に嫌う社会風潮があるためだと言われています。
あがり症が自身の心の弱さ、心理的なものであると気づくと、多くの人はあがり症克服の体験談を参考にしたり、対人関係改善やストレス、心の悩みについて書かれた心理学の本を読んで治療法や解決法を模索します。特に性格的に生真面目な人は、不甲斐ない自分を責めて、精神的な修行のようなことをするなど様々な努力を重ねます。それでも解決しないときは、心療内科に通院したり、カウンセラーに相談することになります。